読みたい本はたくさんあるはずなのに、いざ「次に何を読もう」と考えると、なかなか決まらないことがあります。
本屋に行けば新刊が並んでいて、SNSを見れば誰かのおすすめが流れてくる。ランキングやレビューサイトを開けば、評判のよい本もすぐに見つかります。
それなのに、なぜか選べない。
その理由は、情報が足りないからではなく、むしろ情報が多すぎるからかもしれません。
本を選ぶときに大切なのは、「世間で評価されている本」を探すことだけではありません。自分がどんな本を読みたいのか、どんな読書体験を求めているのかを知ることです。
そのために役立つのが、読書メモです。
本選びが難しくなる理由
本を選ぶのが難しいのは、私たちが本に求めているものが毎回同じではないからです。
じっくり考えたい日もあれば、軽く読めるものがほしい日もあります。物語に深く入り込みたいときもあれば、短い文章を少しずつ読みたいときもあります。
つまり、「いい本」を探しているようで、実際には「いまの自分に合う本」を探しているのです。
ところが、多くのおすすめ情報は、そこまで細かく自分に合わせてくれるわけではありません。
「名作です」
「泣けます」
「人生が変わります」
「読みやすいです」
そう言われても、それが今の自分に合っているかどうかは、読んでみるまでわかりません。
そこで必要になるのが、自分の読書の傾向を知ることです。
自分の好みは、意外と自分でもわからない
「好きな本は?」と聞かれると、すぐに答えられる人もいるかもしれません。
でも、「なぜその本が好きなのか」と聞かれると、少し難しくなります。
文章の雰囲気が好きだったのか。
登場人物が好きだったのか。
物語の静けさがよかったのか。
読後感が忘れられなかったのか。
自分の経験と重なる部分があったのか。
同じ「好き」でも、その理由はさまざまです。
そして、この理由を少しずつ残していくと、本を選ぶときの手がかりになります。
たとえば、過去の読書メモを見返してみて、
「静かな小説が好き」
「短篇集は読みやすい」
「家族をテーマにした話に惹かれやすい」
「幻想的な雰囲気の作品が合っている」
「説明が多すぎる本は途中で止まりやすい」
といった傾向が見えてくるかもしれません。
これは、ランキングよりもずっと自分に近い本選びの材料になります。
読書メモは、立派な感想でなくていい
読書メモというと、しっかりした感想文を書かなければいけないと思う人もいるかもしれません。
でも、次に読む本を見つけるためなら、長い文章は必要ありません。
むしろ、短いメモのほうが続けやすく、あとから見返しやすいこともあります。
たとえば、こんな一言で十分です。
「静かな話だけど、最後まで不思議と読めた」
「文章は好きだけど、今の気分には少し重かった」
「登場人物よりも町の雰囲気が印象に残った」
「短篇ごとに温度差があって、それがよかった」
「またこの作家の別の本を読んでみたい」
このくらいのメモでも、後から見ると大きなヒントになります。
大切なのは、うまく書くことではありません。未来の自分が本を選びやすくなるように、少しだけ手がかりを残しておくことです。
本を選びやすくする読書メモの項目
次に読む本を見つけるためには、次のような項目をメモしておくと便利です。
1. 読んだときの気分
本の印象は、読むタイミングによって変わります。
忙しい時期に読んだ本。
落ち込んでいるときに読んだ本。
時間に余裕があるときに読んだ本。
同じ本でも、読む状況によって感じ方は変わります。
「疲れているときでも読めた」
「時間があるときにじっくり読みたい本だった」
「今の気分には少し合わなかった」
こうしたメモは、次の本選びに役立ちます。
2. 好きだった雰囲気
本を選ぶとき、あらすじよりも雰囲気で選びたいことがあります。
暗いけれど美しい。
静かで淡々としている。
不思議で少し怖い。
軽やかで会話が楽しい。
現実的なのに、どこか夢のよう。
こうした雰囲気のメモは、自分の好みを知るうえでとても大切です。
「この本と似た空気の作品をまた読みたい」と思ったとき、過去のメモが道しるべになります。
3. 苦手だったところ
好きな本だけでなく、合わなかった本についてもメモしておくと、本選びは上手になります。
「登場人物が多すぎて入り込めなかった」
「展開が早すぎて疲れた」
「テーマは好きだけど文章が合わなかった」
「評判ほど自分には響かなかった」
こうしたメモは、ネガティブな記録ではありません。
自分に合う本を見つけるための、大切な判断材料です。
4. また読みたいか、似た本を読みたいか
読後に「この作家をもっと読みたい」と思うことがあります。
一方で、「よい本だったけれど、似た本を続けて読む気分ではない」と感じることもあります。
この違いをメモしておくと、次に読む本を選びやすくなります。
たとえば、
「同じ作家の別作品も読みたい」
「似たテーマの本を探したい」
「しばらく重い小説は避けたい」
「次はもっと軽い本を読みたい」
というように、読後の気分をそのまま残しておきます。
読書メモは、過去の記録であると同時に、次の読書へのメッセージでもあります。
「読みたい本リスト」も一緒に育てる
読書メモと一緒に作っておきたいのが、読みたい本リストです。
気になった本をその場で記録しておくと、「次に何を読もう」と迷ったときに助かります。
ただし、読みたい本リストは、ただタイトルを並べるだけだと時間が経つにつれて意味がわからなくなりがちです。
「なぜこの本を読みたいと思ったのか」を一言だけ残しておくと、あとで選びやすくなります。
たとえば、
「短篇集を読みたい気分のとき用」
「旅行記に近い小説らしい」
「好きな作家が影響を受けた本」
「静かな海外文学を読みたいときに」
「寝る前に少しずつ読めそう」
このようにメモしておくと、読みたい本リストは単なる保存場所ではなく、自分だけの本棚のようになります。
読書メモがあると、本との出会い方が変わる
読書メモを続けていると、本の選び方が少しずつ変わっていきます。
ランキングの上位だから読む。
話題になっているから読む。
誰かにすすめられたから読む。
もちろん、そういう出会い方も楽しいものです。
でも、それだけではなく、
「今の自分には、この本が合いそう」
「前に読んだあの本の雰囲気に近そう」
「このテーマは何度も気になっている」
「この作家はもう少し追いかけてみたい」
というように、自分の読書体験をもとに本を選べるようになります。
読書は、たくさん読むことだけが目的ではありません。
自分にとって意味のある本に出会うこと。
読んだ本が、次の本につながっていくこと。
その流れを楽しめるようになること。
読書メモは、そのための小さな道具です。
ブクマで読書メモを残す
読んだ本や読みたい本を管理するなら、読書管理サービスの「ブクマ」を使うのもおすすめです。
ブクマでは、読んだ本を記録したり、気になる本を登録したりしながら、自分の読書を整理できます。
読書メモを残しておけば、あとから見返したときに、
「この本、なぜ気になっていたんだっけ?」
「前に読んだこの作家、けっこう好きだったな」
「次はこのジャンルを読んでみよう」
というふうに、次の一冊を選ぶ手がかりになります。
本を読んだ記憶は、時間が経つとどうしても薄れていきます。
だからこそ、全部を覚えておこうとするのではなく、少しだけ記録に残しておく。
それだけで、本選びはずっと楽になります。
ブクマはこちらから利用できます。

まとめ:本選びは、記憶より記録に頼っていい
本の選び方がわからないとき、必要なのはもっと多くの情報とは限りません。
むしろ、自分がこれまでどんな本を読み、どんなところに惹かれ、どんな本が合わなかったのかを見返すことが役に立ちます。
読書メモは、過去の感想を保存するためだけのものではありません。
未来の自分が、次に読む一冊を見つけるための手がかりです。
うまく書く必要はありません。
長く書く必要もありません。
一言だけでも、十分です。
本を読み終えたら、少しだけメモを残す。
気になる本を見つけたら、なぜ気になったのかを書いておく。
その小さな積み重ねが、自分だけの本選びの地図になっていきます。

